開業は最良の選択か?

※こちらの記事は、紹介会社を使ったご転職経験のある現役医師から頂いた記事です。
  転職をお考え中の先生方へのメッセージとなっておりますので、
  もしよろしければご参考にして頂けますと幸いです。
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昨今、開業医向けセミナーに人が集まりにくいと聞いています。
再診料の引き下げだけでなく、今後小規模な医療機関を経営するには
それなりにトレーニングや持続的な学習が必要です。

先日、開業されてからも経営がうまくいかない診療所を
経営する医師向けのセミナーに参加しました。(初めてです)
とても新鮮でした。

というのは、こんなことも知らないで?的な医師が、
案外医療経営コンサルタントという方たちにコロ!っと
だまされていたり、あるいは自分の「こだわり」に固執するために、
まったく市場のニーズとかけ離れて過大な投資をしたクリニックや
立地考えずに開業してしまった医師、あるいは開業して15kgも
痩せたという医師も見えます。

そういう開業ブームに警告はすでにいくつも出ていますが、
「決めたから・・・」ともうばら色に見える? 
開業を決心される医師が自分の同年代にもとても多いです。
飛び出す前に左右確認はしているとは思いますが、
外的な要因がどんどん変化しています。

自分が周囲の医師より医療経営について勉強熱心でない限り、
あるいは患者さんにだけでなく、経営に今よりも時間をささげる
覚悟がない限り、自分は「開業」にはNoです。

開業医は日銭商売で入ってくるのですが、それは3割。
残りの7割は保険からの支払いが2ヶ月先。
大都市部では開業医同士の競合が強く、従来よりも損益分岐点を
乗り越えるまでに時間がかかるようになっています。

準備資金のことも考えると昔のように半年くらいではなく
1年分の用意が必須です。

この上に借り入れ金の返済、リース料金の設定、
スタッフの採用&教育、調剤薬局や介護業者との連携、
地域の医師会への加入・・・

こういう煩雑な手続きを最近は手伝ってくれるコンサルタントや
業者がいますが、この業者もよしあしで世の中には開業医を
食い物にする悪徳業者がいたりして次から次へと
弱みにつけこむ評判の悪い業者さんもみえるとか。

落下傘開業といわれる、自分の働いている医療機関から
距離が離れた地区に開業する場合、
その下調べのことを考えたら、地元の医療機関に一度
転職するのもいいかもしれません。

実際に、それで成功させた先生の方が多いです。
紹介先があるというのは心強いです。 
逆に、落下傘開業でそれまで診ていた外来患者さんも来ないで、
単に看板を掲げた場合、非常に成績が悪いです。
駅前の立地や医療モールでさえ、
開業医にとって地元の病院との連携が必須です。 

開業準備を怠る先生は少ないとおもいますが、
開業してから先生が「こんなはずじゃなかった」
なんてことはよくあるそうです。

忙しい病院で開業セミナーに出席したり、
銀行や業者との打ち合わせを考えたら、
その前にちょっと立ち寄るつもりで「病院」 を変えて、
じっくり転職に取り組む方がいいかもしれません。

またそういう医師を積極的に雇う病院も最近はあるようです。
しかし、そんな病院を探すのは多忙な医師には困難です。

そういう時こそさまざまな病院とつきあいのある
転職会社さんとも相談するのもひとつの解決法ですね。

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